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ミニ真柏

今月号のアクアジャーナルに出させていただいたわけですが、趣味のところに『ミニ真柏(シンパク)』という物がありました。

これは一体なんだろう?と思われた方が多いと思います。

百聞は一見に如かずという事で、これがそのミニ真柏です。

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いわゆる『盆栽』という物です。


シンパクとは、ヒノキ科の常緑樹ミヤマビャクシンのことで、石灰岩質の高山の岩場に自生しています。

産地によって葉性が違い、糸魚川産の物が葉が細かく人気があります。


この写真の物はうちで一番小さい物で、殆どの物はこれより大きめで手に乗るサイズが殆どです。

全部は紹介できませんので、ちょっとだけ紹介します。

植え替えて2年目ぐらいのシンパクです。

この樹はほぼ実寸サイズです。

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木に対して植木鉢が大きめなのは、まだ養成段階だからです。

細い幹が目的の太さになったらもう少し小さい鉢に入れて締める予定です。


この木は元々多幹のシンパクの根元を割いて分けた物です。

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シンパクは茶色い部分(水吸い)が生きていれば枯れないほど丈夫な木で、割いたり曲げたりに強いのです。

それと幹に針金が巻いてありますが、真っ直ぐな幹に針金を掛けて形を作り上げていきます。

このまま放っておくと成長して幹に針金が食い込んでしまうので、定期的に外したり、巻きなおしたりしてあげる必要があります。


植木鉢はこのような石をくりぬいたような物もあります。

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このような形の植木鉢の場合、見た人に流れを意識させる事ができます。

この木の場合は右流れで、枝配りも右に流れるようにしています。

この木は古いシンパクの枝を挿し木で根付かせた物です(古枝挿しと言います)。

古い枝を挿す事で、時間を掛けずに古さを表現できます。

ただ、新しい枝と違って古いので根付きにくいです。


シンパクは岩場に自生する事から、石に付けて形にすることもあります(石付けと言います)。

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根元を石にしっかりと固定して、ケト土という粘土質の土を使って根が乾燥しないように覆い、その上に苔を貼ったりして維持します。

写真では石を立てるために植木鉢を使っていますが、植木鉢を使わずに石に直接付ける事もあります。


こんな風に空き缶に植えたりもしてます。

知る人ぞ知るペプシ盆栽

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植えてから、かれこれ5年ほど経ってます。


これは今までの物よりちょっと大きめの物で、ミニではなく小品サイズです。

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幹の白い部分は死んでいます。

枯れた枝の表皮が剥がれ、硬い木質部だけが残った物で、これをジンと言います。

幹にも部分的に白い部分が見えている箇所がありますが、これはシャリと言います。


シンパクの魅力は主にこのジンとシャリにあります。

生きている水吸いと死んでいるシャリが絡み合うことで、生と死を表現し、さらに幹が捻れて自然の厳しさを表現します。

育成段階では人の手で曲げたり削ったりして自然に近い形に作りあげていくのですが、毎年少しづつ削ったり曲げたり時間を掛ける事で自然らしく作り上げていきます。

下の写真の木は8年ほど前にボールペンの芯ぐらいの苗木を買って育てた物ですが、毎年少しずつ削りながらシャリ幹や捻転する枝を作っていて、幹の太さも親指よりも太いぐらいになっています。

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こんな風に幹が枯れていたり捻れていると、不自然に感じるかもしれませんが、これは自然にある光景なのです。

信じられないかもしれませんが、シンパクの自生地には長い年月を掛けて作られたジンやシャリ、捻転された幹があるのです。

私も最初は不自然に感じましたが、自生地の写真で厳しい自然の中で育つシンパクの姿を見て、人間の想像力は自然の前ではちっぽけなものだと痛感したものです。

ただ、現在では自然に自生しているシンパクはほとんどありません。

山採り素材はほぼ採り尽してしまったからです。

命を掛けなければならないほどの断崖絶壁まで採取されました。

盆栽の中ではそれほどシンパクという樹種は魅力があるのです。


今まではシンパクばかりでしたが、他の樹種もあります。

これは石化ヒノキと言います。

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ヒノキの改良品種で、葉が細かいことから小さい盆栽向けに丁度いい樹種です。

まとめて植えることで林の景色を表現しています。

葉っぱがモスspみたいでモコモコしていてカワイイでしょ。


他にもモミジ、深山海棠、老鴉柿、五葉松、山桜などが少しだけあります。

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最近の陽気でモミジは少し赤くなってきました。

雑木は季節感があるのが良いですね。

今はありませんが、雑木も好きで一時期ブナとかヒメシャラとか育てていました。


盆栽も最初の頃は花が咲いたり、実がなる樹種が好きだったのですが、最近はほぼシンパクになりました。

シンパクの良い所は形があって無いような所です。

ある程度の決まり事はあるのですが、黒松のように誰が作っても同じようになるのではなく、作り手の感性次第でどのようにもなるのです。

自由な発想で楽しめる樹種、それがシンパクです。


あとは時間を掛けなければ出せない時代感でしょうか。

同じサイズの樹でも、1年目と5年目と10年目の樹では全然違う物です。

最初は楊枝のような細い苗木でも10年持ち込めれば重厚な雰囲気を持つ古木の様相を呈すのです。

さらに20年、30年と持ち込めば持ち込むほど味のある樹になっていきます。

何年持ち込んでも姿形が変わらない物ではなく、何年も持ち込んで時間を掛けなければ生み出せない物があるのです。

人の手だけでは生み出せない人智を超えた世界。

そんな所に私は惹かれたのです。


趣味の長さとしてはアクアリウムより2年ほど長い趣味だったりします。

盆栽の腕は凡才ですけどね。

盆栽は年寄りの趣味だと思われがちですが、時間の掛かる趣味なので若い頃からやらないと勿体無いです。

最近は水遣りもタイマー制御で自動でできますので、一昔前よりも入りやすい世界だと思います。

ちょっとだけなら水槽のタイマーを上手く使って毎日決まった時間に水遣りを行う事も可能です。

私はしていませんが、メタルハライドランプと水槽とタイマーを使っての水遣りができれば室内でも盆栽はできるかもしれません。

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盆栽はあまり気負わずにやる趣味だと思います。

魚にエサを与える感覚で水遣りをして、時期が来たら植え替えや針金掛けや剪定をしてあげる。

春が来れば新芽を吹いて春を教えてくれて、夏になれば鮮やかな新緑を見せてくれて、秋になれば紅葉して秋を感じさせてくれて、冬になれば裸樹になって枝振りを楽しませてくれる。

自分が育てた物に花が咲いたり、実が付いたり、当たり前のことなのに感動してしまいます。

最近は都会のど真ん中でも盆栽を扱うお店があり、盆栽を楽しむ人が増えています。

水槽も盆栽も根幹は同じだと思います。

それはやはり、人間は自然と共生することで癒されるものがあり、自然無くしては生きていけないものなのだということです。


下の写真は余ったヘアーグラスを植えた鉢に石付きのシンパクを置いた物です。

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時期的にヘアーグラスが茶色くなっていますが、中々雰囲気いいでしょ。

盆栽と水草のコラボでこんな楽しみ方もしています。


アクアジャーナルでは盆栽と言うと世界が広がりすぎてしまうので、あえて自分が主にやっている『ミニ真柏』という名前で紹介しました。

この記事を見て、少しでも盆栽に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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